株式会社トライン Webサイト(ホームページ)制作、システム構築・アプリ開発、eラーニング


Web-Column - ディレクションとはなにか? -

ITをめぐるディレクション業務は、近年どんどん複雑化、単純なWebサイト構築の「制作進行管理」ではとどまらなくなっている。 多様化するWebディレクション業務について、役割ポジションと実践ノウハウを解説しましょう。

Vol.7ファイル一覧表とワイヤーフレーム1 2014/11/17

「ファイル構造設計」と「ワイヤーフレーム」

前回ややあいだが空いてしまいました。
今回から実際のディレクション作業について語っていきまましょう。
Webサイトビルドアップの端緒となる「ファイル構造設計」と「ワイヤーフレーム(マッピング)」について述べていきます。
これらはディレクター職務においては、各々がノウハウを持っている要素だと思います。普遍的ではないかもしれませんが、私なりのアプローチを解説しましょう。

ファイルディレクトリィ一覧表の在り方

サイトに掲載するべき情報解析が済んでから、ファイル構造の確認となります。
下記のようなファイルディレクトリィ表もしくはツリー図などを持って、おおまかな情報掲載を取り決めます。
この時、ディレクターの注意点としては3つあります。

  1. データ区別をはっきりとする。
  2. 作業レベル対応を書き込む。
  3. 完全に作りこまない。

つまり、単純なファイル一覧表にしてはならないということです。 それぞれについて解説することにしましょう。

1.データ区別をはっきりとする。

データというのは単純な掲載情報ではありません。
情報はかならず、なんらかの意図をもって掲載されています。
それが掲載されているからには、「発信されるべき、なんらか合理性を持つ」というわけです。
それをふまえてこれらの情報について、区別(ラべリング)することで、全体の設計が把握できます。
例を見ていきましょう。

図1は単純なファイルディレクトリィ表です。
よく見る形式で、これでわかりにくいということはありませんが……文字情報だけで「なにがなんだかわからない」という意見もあるでしょう。

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これをひと手間加えてみましたの図の2です。
どうでしょうか?かなり見やすくなったと思います。

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ディレクトリィ表になにをしたのか?

いまディレクトリィ表に手を加えたのは、以下の事柄です。

  • 情報の属性別に取りまとめ
  • 情報の属性別に色分け
  • 階層構造を明確に

これだけで、ひとめでどんな情報がサイトに入るかが把握できます。

この表は、何も現場サイドだけの話ではなく、クライアントにしろ、営業側にしろ、どんな情報が、どれだけあるのかを明確化することは非常に重要です。
より分かりやすくする必要があります。

明確化するのがディレクターの仕事

この「明確化こそがディレクターの本質」です。
明確化すなわち「人にわかってもらう」ということが主たる役目なのです。

その「人」とは、自分以外の誰か・・・クライアントであり、制作スタッフあり、会社関係者などでもあります。
自分一人が行う作業であれば、ディレクターは不要です。制作者が自らディレクションをして、自分でつくり、成果物だけをクライアントに理解してもらえばいいわけですから。
ですが、通常の企業サイトやショッピングサイト、あるいはアプリ開発などのプロジェクトでは複数の人が関与します。
その情報共有を、明確に、過たずに伝達する。それがディレクターに課せられた義務と言ってよいと思います。
そのために、人にわかりやすく伝えるということを、ドキュメントでもしなければならないわけです。

2作業レベル対応を書き込む

つづいて、ディレクトリィ表にさらに手を入れてみます。

ディレクトリィ表を単独で存在するのはもったないので、各ページについて進捗・TODOや5Wを明記します。

  • 新規、刷新、継続、廃止
  • だれが、いつ、どこまで担当するのか

を書き込むことで、作業レベルがはっきりわかり、予算管理や進捗についても把握できて、これ1枚でプロジェクト全体が俯瞰できるようになります。
つまり、「何をしているかを明確にわかってもらう」という情報共有が可能になるわけです。

3.完全に作りこまない。

プロジェクトがスタートして、そのまま波風なく進捗する。
……ディレクターにしては夢のような話ですが、実際そんなことはまれです。
プロジェクトは往々にして紆余曲折があり、サイト構造やボリュームなど変更になってしまうことが多々あります。
ゆえに、ディレクトリィ表については、上記1-2のように区別・明確化することは大事ですが、固定化しすぎないことです。

変更があっても、すぐに更新でき、かつそれが関係者に更新されたことが通知されるようにしておきたいものです。
情報共有チームウェア(Google+など)を利用して、ある程度ニュートラルな状態で、リアルタイムに更新を掛けるようにしましょう。

通常、サイト公開前後でディレクトリィ表が固まってあとで更新が止まることがあります。
公開後しばらくたってみると、ディレクトリィ表がまったく更新されておらず、あわてて最終版にそろえるというケースも多くあります。
なので、ディレクトリィ表は、できるだけ固定化せずに、頻繁に更新しやすいようにしておきましょう。

ワイヤーフレームについては、次回に語りましょう。

つづく

今回のポイント

「ファイル構造設計」と「ワイヤーフレーム」は、ディレクター独自のやり方で構築するものではあるのですが……。

筆者紹介
下坂 清周 KIYOKANE SHIMOSAKA

IT企業の取締役として十数年、金融機関サイトをはじめ一部上場企業サイトを多数構築。その他、eラーニングシステム・コンテンツ構築、各種業務系システム構築なども手掛ける。豊かなWebディレクションの経験を生かした「ディレクションとは何か」を本サイトで連載中。

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