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Web-Column - ディレクションとはなにか? -

ITをめぐるディレクション業務は、近年どんどん複雑化、単純なWebサイト構築の「制作進行管理」ではとどまらなくなっている。 多様化するWebディレクション業務について、役割ポジションと実践ノウハウを解説しましょう。

Vol.4ディレクションのスタート1 2014/06/10

まず何をするべき?

ここからは、実際のサイト構築ディレクションを行なうという観点で語っていきましょう。
ディレクターにもっとも必要なもの。
いままでにも述べてきたことを念頭に置くことはもちろん、サイト構築がスタートしていくステップで、まず何をするべきでしょうか?

ディレクターの中には……

  • 顧客にデザイン提案する方もいますし、
  • 機能的なワイヤーフレーム(レイアウトの箱組)を作る方もいますし、
  • マルチデバイスに対応した最新技術を導入の提案をする方もいます。
いずれも「作業を進める」ということでは間違ってはいません。

ただ、待ってください。
いざ作るというときに、いきなり進み出して(ディレクションをはじめて)よいものでしょうか?

どれだけ準備するかが重要

ディレクションという業務は、「決められた山を、どのように登っていくか」に似ているという話をしました。
山を登るときには、
山の高さはどのぐらいのものなのか、
どのようなルートがあるのか、
どんな天候が起こりうるのか、
機材や人員はどのように取り揃えて、
いざというときにどのように連絡をとり、
他にどんな問題点がとるべきか……。
このようにミッション(山)の全容を把握しらなければ、非常な危険なものとなります。

ディレクションも同じです。

実際にサイト構築を行なう前の準備として、現状分析をしておく必要があります。
「着手前の現状分析」をしっかりと行っていなければ、後のプロジェクト(ディレクション)が破たんする可能性はきわめて低くなります。

逆に言うならば「着手前」つまり「実際のWebサイト作成業務が始まる前」に、
どれだけ準備するかが、その後のディレクション業務スムーズにできるか」が決まるわけです。

着手前の現状分析

上記はサイトサンプルです。この中にA,B,C,D,Eと情報があるとします。
AとBに関連性があるときに、AとBは同一フォルダ内で展開されるということが予想されます。
一方でCとDが全く違うジャンルの情報であれば、これらの情報は、サイト配置上、情報アクセスの仕方、距離が置かれることは想像に難くありません。
さらにEが、サイト全体にかかわる情報であれば、Eの存在はヘッダーやフッターに入れるべきでしょう。
このような情報の振り分けは、事前にやる分には特段大変ではありません。しかし、サイト構築途中でやると非常に大変です。

「準備を十全に行えば、道のりの半分も進んだものと同じようなもの」

やや大げさな表現かあるかもしれませんが……、実際にWeb作りこんでいく作業よりも、事前作業で、ある現状分析のディレクション作業にしっかりと時間をついやしたほうが、案件の成就率はぐっと高まるでしょう。
この事前分析ができる作業者が「ディレクター」でもあるのです。
繰り返しますが、「着手前の現状分析」がしっかりしていれば、「ディレクション全体の半分ぐらいが成功したようなもの」と言えるかもしれません。

現状分析とは?

さて、着手前の現状分析にはいくつか種類があります。

Webサイトは情報展開発信ツールです。企業サイトであれ、個人サイトであれ、ECサイト(物販決済サイト)であれ、なんらかの情報が発信されるものです。
その情報は、たんに羅列された情報ではなく、「どんな情報」という属性付けがなされています。会社情報であるとか、商品情報とか、日記などの情報発信とか、さまざまなラべリングをすることができます。

もし、あなたがディレクターとして任じられたとき、この段階で、単なるデザイン変更としてワイヤーフレームを考えだすとしたら、おそらくは失格です。

サイトをリニューアルするということは、デザインのリニューアルだけでなく、掲載情報のリニューアルも考えなければならないのですから。
デザインのリニューアルだけなく、情報のリニューアルを図らなければ、本来のサイトリニューアルにはなりません。

情報のリニューアル

情報のリニューアルとしては以下の方法で、それぞれの情報を区別できます。

  1. 現状のWebサイトに存在している情報。
  2. 現状のWebサイトには表示されてないが、サーバー上や会社内に眠っている情報。
  3. 今後作成していく情報。

もうすこし1-3を掘り起こして説明してみましょう。

1は、表面的な情報分析として、表面にのっている情報を把握整理する。
(表面の情報)

2は、埋没している情報をほりこしてみることで、情報を追加作成する。
(埋没の情報)

3は、今回のプロジェクトのために、取材などを行って情報を新規に追加する。
(新規の情報)

もちろんこれら以外にもさまざまな情報分析ができるでしょうが、大別するとこれら3つのが挙げられると思います。

これらの情報分析については次回でもう少し詳しく語ることにしましょう。

つづく

今回のポイント

「着手前の現状分析」で「ディレクション全体の半分ぐらいが成功したようなもの」と言える。

筆者紹介
下坂 清周 KIYOKANE SHIMOSAKA

IT企業の取締役として十数年、金融機関サイトをはじめ一部上場企業サイトを多数構築。その他、eラーニングシステム・コンテンツ構築、各種業務系システム構築なども手掛ける。豊かなWebディレクションの経験を生かした「ディレクションとは何か」を本サイトで連載中。

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