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Web-Column - ディレクションとはなにか? -

ITをめぐるディレクション業務は、近年どんどん複雑化、単純なWebサイト構築の「制作進行管理」ではとどまらなくなっている。 多様化するWebディレクション業務について、役割ポジションと実践ノウハウを解説しましょう。

Vol.1ディレクションの最小単位 2014/03/18

ディレクションってどんな仕事?

「ディレクションってなに?」
「ディレクターって何をするんですか?」
と聞かれることがあります。普通に生活していても、あまり聞きなれない言葉です。

Webディレクションを実際にやっておられる方であれば、「現場の指揮者」
あるいは「制作進行の担当」
もしくは「折衝兼実務管理者」
などと答えられるでしょう。それも正解です。

そもそも、ディレクションとはなんでしょうか?
辞書を引けば「direction=方向、方角、方位、方面」などとあり、「director=指導者、指揮者、管理者、重役、監督」などといかめしい和訳が並びます。
「君は明日からディレクターだ!」と言われて、「やった、取締役になれるんだ!」と考えられる方はおられないでしょうが。

ディレクションの最小単位は?

では、「ディレクション」がどんな行動で、「ディレクター」がどんな責務を追うのかを考えてみるとき、「ディレクションの最小単位とはなにか?」を考えるとわかりやすいと思います。

ここでいう「最小単位」とは、物事を構築する最小の構成物のことです。

たとえば、
WEBサイトの最小単位は、HTMLソース(タグ)であり
小説の単位は、言語であり、
映画の単位は、コマフィルムです(最近はデジタルですので正確にはフレームでしょうか)。
いずれも、世に発信されるために、最小の構成物が寄り集まって形を成して、最終的に成 果物となりうるものが、「最小単位」ということになります。
では、「ディレクションの最小単位はなにか?」

と考えたとき、答えはなんでしょうか……、ちょっとだけ考えてみてください。




答えを言いますね、
ディレクションの最小単位は、「判断」です。
「決断」と言い換えてもよいかもしれません。

無数の判断が必要になる仕事

一つの成果物が世に出るまで、たくさんの「判断」が必要とされます。
サイトをどんなデバイス(機器)に適合させるべきか。
サイトのTOPは何色がベターなのか。
掲載する情報の内容はこれでよいのか。
リリース時期はいつか。更新のタイミングは?
誰にジャッジをもらえばいいのか。
サイト設計はこの仕様でよいか。
などなど、無数の「判断」が必要になってきます。

無数の方向づけ……つまり「判断」をすることが「ディレクション」であり、それを行う人が「ディレクター」というわけです。

正しくないかもしれないけど……

逆に言うならば、「判断」をしない人、できない人は、ディレクターには向かないかもしれませんね。
「決められない」「判断できない」「方向付けできない」という方は、別のポジションを選ばれたほうがベターです。
性格・気質として、決められない方もいらっしゃいますので、そういう方がディレクションをされたとき、「判断」「決断」を避けて業務をすすめられると、おおよそ案件が頓挫することになります。

人間だれしもが「いつも正しい判断」をできるかどうかなんてわかりません。「もしかしたら間違っているかもしれない」「あれは失敗だったかもしれない」などと考えることは、社会活動をしている限りは避けては通れないことです。

「間違っているかもしれないが、正しいなんて誰もわからないので、自分なりにしっかり考えて判断してやってみる」
これがディレクターの本懐でしょう。

最小単位がなにかを忘れないで

先に挙げたように、Webディレクターについて「現場の指揮者」あるいは「制作進行の担当」もしくは
「折衝兼実務管理者」が、「正解」と述べたのは、そこに「判断をする」ということが生まれるからです。
ディレクターは、案件を判断して、さまざま取り決めて、次に進める権利を持っている人と言っていいのですから。

IT技術・WEB表現が多様化している現在では、Webディレクションの範囲は、以前のWebサイト構築の範囲だけでなく、かなり広義になっています。
Webサイトは、非常に流動的な媒体でので、つぎつぎと新しい技術、フォーマット、デバイスが登場して、「正しい判断」をするのが難しい仕事の一つではないかと思います。

そんな中で、ディレクターの「最小単位」が何かを常に考えておけば、新しい情報や難しい判断の中でも、自らのポジションを保持できるのではないかと思います。

つづく

今回のポイント

ディレクションの最小単位を考えることで、
ディレクションの本質がわかります。

筆者紹介
下坂 清周 KIYOKANE SHIMOSAKA

IT企業の取締役として十数年、金融機関サイトをはじめ一部上場企業サイトを多数構築。その他、eラーニングシステム・コンテンツ構築、各種業務系システム構築なども手掛ける。豊かなWebディレクションの経験を生かした「ディレクションとは何か」を本サイトで連載中。

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